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団交申し入れ書(理工学部コマ数削減・5年上限適用)

 2018年3月3日に、日本大学、および同学理事長、同学長あてに提出された団交申し入れ書を公開します。この申し入れ書は、(1)理工学部における非常勤講師のコマ数削減、および(2)非常勤講師に対する契約期間5年上限の適用、について要求しています。
※以下は、実際の申入書の内容を部分的に伏せるかたちで書き直したものです。

2018年3月3日
団交申入書

 拝啓、時下ますますご清栄のことと、お喜び申し上げます。
 さて、貴学との継続団交について、貴学より1月29日付および1月31日付で御回答を頂きました。これらの回答を踏まえ、前回2月28日の団交の際に口頭で要求した内容について、改めて下記のとおり申し入れを致します。そして、これらの事項を含む継続団交について、3月中に開催することを要求致します。
敬具


1. 要求事項

(1)理工学部におけるA非常勤講師およびB非常勤講師の担当授業コマ数の削減に係る事項
(2)C非常勤講師、D非常勤講師およびE非常勤講師に対する「日本大学非常勤規程第5条第4項第1号」に基づく5年上限の適用に係る事項


2. 要求事項(1)について

 貴学は1月29日付の回答書で、「理工学部の初修外国語教室において、科目コマ数を段階的に2割削減するという本部方針をはるかに上回る大規模な科目コマ数の削減が行われている」という組合側の主張を否定した上で、「**語関係の科目については、今回1コマしか削減されて」いないと強弁していますが、このことは、2016年4月22日に行われた「初修外国語の分科会」で代表のF氏が通達した内容と大きな齟齬があります。
 F氏の説明を要約すると、理工学部では本部方針の求める科目数・コマ数の2割削減を、初修外国語科目の集中的な削減によって達成することに決定し、それにより初修外国語の総コマ数は現状から75%削減されることになったと理解できます。実際、そのような計画を裏付けるように、貴学は上記回答書ならびに前回団交の場において、理工学部で**語科目を担当する専任教員のコマ数を6から8に引き上げたこと、また一方で同科目の非常勤講師に対しては、「初修外国語研究室において定めた非常勤講師担当コマ数決定の方針」に基づき、一人一律2コマの担当としたことを認めています。
 このように機械的な処理の仕方からは、理工学部における「カリキュラム変更」が、教育の質の向上を目的としたものではなく、非常勤講師の担当コマ数を削減することに主眼を置き、それによって法人としての利益の最大化を図ろうとすることに真の目的があることがわかります。実際に、貴学は上記回答書において、当のカリキュラム変更が「学生数の減少等による開講科目数の見直し」を目的としたものであること、また、非常勤講師の削減を主眼とする「教学に関する全学的な基本方針」に基づいたものであることを認めています。
 そもそも、学生数が減るから開講科目を減らそうという、短絡的な発想に基づくカリキュラム変更は、学生の立場からすれば学習内容の選択の幅を狭められ、とくに初修外国語科目に関して言えば、生涯のうちに教養を身に着けることのできる数少ない機会を剥奪するものです。それは本来、カリキュラムの「改悪」と呼ぶべきものであり、社会的に容認できるものではありません。
 また、非常勤講師にとって担当コマ数の削減は生活・生存を左右する大問題であり、専任教員との経済的な格差をますます広げる理不尽な「不利益」でもあります。これは社会通念上到底認められるものではありません。そこで、組合の要求は以下の通りです。
 まず、平成29年度の初修外国語科目の総コマ数と各言語の内訳、および、それらが平成30年度にはどのように削減されるのかを開示してください。加えて、平成31年度以降にカリキュラムはどのように変わり、それによって非常勤講師にさらなる不利益が及ぶのかどうか、つまり再度コマの削減ないし雇い止めといった事態になるのかどうか、今判明している事実を明らかにしてください。今後、F氏の説明通りに事が運べば、おそらく平成30年度中にはさらなるコマ減、ないし最悪の場合には雇い止めが通告されるものと予想します。実際には雇い止めを前提とした段階的なコマ減であるにもかかわらず、その意図を隠蔽することは許されません。
 次に、以下が最も重要な点ですが、理工学部における「カリキュラム変更」が非常勤講師数の削減を前提としたものであることが明らかである以上、今回のコマ減は不当です。したがって、平成30年度以降も、A講師およびB講師には、平成29年度と同じコマ数を担当させるよう、引き続き要求します。


3. 要求事項(2)について

 1月31日付の回答書「日本大学非常勤講師規程第5条第4項第1号に係る件について」の「1 規程第5条第4項第1号の規定の撤回要求の件について」において、貴学は非常勤講師の契約期間に5年の上限を設けた理由について、二点に分けて説明しています。一点目は、非常勤講師は「教育内容・教育方法に対する学生や社会のニーズを柔軟に反映できることを利点として活用されてきた。そして、ある程度の期間で授業科目や人材が入れ替わることで、その利点を確保できるものと考えられる。非常勤講師を委嘱するにあたり、複数年ではなく、単年度毎に委嘱していたのは、このためである」というもの。二点目は、「専任教員の持コマ数の適正化等の見直しを図る必要があり、そのために、非常勤講師の契約期間に上限を設けないことは、今後の大学運営に支障をきたす可能性が大きいことを考慮に入れる必要がある」というものです。しかしながら、「教学上の理由」としてまとめているこれらの事柄は、いずれも5年上限を設けたことの合理的な説明にはなっていません。
 貴学が個々のケースについて、合理的な理由に基づき、また社会通念上相当な範囲において、授業科目の変更を行なったり、担当者を入れ替えたりすることが可能であることは、非常勤講師が無期契約に転換したとしても、なんら変わることはありません。このようにその「利点」を確保しているはずの非常勤講師に対し、契約期間に上限を設ける必要性が一体どこにあるのでしょうか。上記二点目において、専任教員のコマを適正化するためであるかのように述べられていますが、これも合理的な説明にはなっていません。なぜ非常勤講師の契約期間に上限を設ける必要があり、なぜそれが「1」でも「2」でも「3」でもなく「5」なのでしょうか。「5」という数字も「上限」という発想も、改正労働契約法の定める無期転換権の発生を故意に阻害しようという明確な意志なくしてあり得ません。実際には、無期転換を阻止するために契約期間に5年の上限を設ける必要が生じ、その結果として専任教員の持コマ数の「適正化」が必要になったはずです。つまり、貴学による説明は実際の因果関係を故意に反転した詭弁であり、到底納得できるものではありません。改正労働契約法によれば、有期雇用契約であっても、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇い止めはできません。貴学が強行しようとしている就業規則の制定ならびにすでに合意がなされたと主張する雇用契約書第14条は、社会通念上相当ではないどころか、社会通念を逸脱した反社会的な行為と言わざるを得ません。
 また、貴学は上記回答書の「6 本学としての方針について」において、以下のように述べています。「本学はC氏、D氏及びE氏の採用にあたり、非常勤講師雇用契約書兼労働条件通知書(以下、「雇用契約書」といいます)を明示しており、「他学部及び学校法人日本大学が設置する他の学校での有期労働契約(他の教職員資格を含む。)を通じて通算で5年に達するときは、契約を更新しない」旨規定した雇用契約書第14条に書面又は口頭で合意された上で、授業を行っていただいております。そのため、上記内容と同趣旨である規程第5条第4項第1号にも合意されていると考えております」と。
 しかしながら、D講師が2016年4月に貴学と初めて契約を結んだ際、それまでの非常勤講師とは契約内容が異なることやその内容について一切説明を受けておりません。また、就業規則の制定については同じ月に一般教育教室の非常勤講師を対象とした懇談会で話がありましたが、その場でD講師が5年上限の件を取り上げ、今後雇止めになる可能性があるのかどうかについて説明を求めたところ、大学側の回答は「まだ本部で検討している段階なのでわかりません」というものでした。つまり、すでに契約書には明記されていた事柄が、実際には本部での検討段階にあり、学部の責任者は契約書の内容を把握していなかったということです。また同じくE講師の場合も、2017年度の嘱任に際して労働条件通知書兼契約書が提示されたことはなく、5年上限についての個別の合意、契約は成立していません。
 以上の経緯から明らかなように、貴学の主張する「合意」は無効です。また、このように違法性が明らかである5年上限については、今後も合意することはできません。よって、この規程をC講師、D講師およびE講師に適用させないよう、引き続き要求します。
以上
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